ジャスミン茶はとにかく手間ひまをかけたお茶。その夜に花が開きそうなジャスミンの花のつぼみを夕方までに手作業で摘み、釜煎りした緑茶葉とやさしく混ぜ合わせながら香りを付ける(移す)のです。一般的には、この作業が1回だけではなく、少なくとも数回は行なわれます。何度も香りを付けては花を取り除き、また花を入れて香りを付けるという作業を繰り返すのです。手作業で時間と手間をかけて作ったジャスミン茶葉を使っているから、さんぴん茶は香り豊かでおいしいのです。
さんぴん茶の甘くさわやかなジャスミンの香りは、気持ちがゆったりとし、気分をすっきりしてくれます。油っこい食事を食べた後、お口をさっぱりとさせてくれることから、中華料理店で出されたり、チャンプルーやラフテー、ソーキ汁などこってりとした沖縄料理との相性も抜群なんです。揚げ物の多いウチナー弁当とはまさにゴールデンコンビ!
すっきりとした味わいは甘みの強いケーキやクッキー、チョコレートなどスイーツともよく合います。「甘い飲み物はちょっと控えたい・・・」というときにもぜひお試しください。もしかしたらウチナーンチュは、さんぴん茶に親しんできた長い経験の中で、そのチカラを自然と肌で感じ、生活のさまざまなシーンで上手に活用してきたのかもしれませんね。
※出典・参考文献
◆「沖縄ぬちぐすい事典」“サンピン茶”より
(発行プロジェクトシュリ 発売創英社/三省堂書店)