第21回
ワタシ流 シチリアの夏の海を満喫する方法
いよいよ夏シーズン本番を迎える7月のシチリア。
5月上旬から海辺で焼いている人もたくさんいますが、私が海水浴を始めるのは6月中旬頃から。
そして7月は夏至の後で日も長く、私にとっては1年の中で一番海に行く回数が多い月でもあります。
今月号ではワタシ流(シチリア流?)夏のシチリアの海の楽しみ方をご紹介します!
ビーチでのんびり過ごしたい時はイタリア版海の家、LIDO(リド)へ行こう!
忙しい日々が続き、ちょっとストレスを感じている時、「今日は1日のんびり休む!」と決めて休む私。
そんな日に行くのが白い砂浜に並ぶLIDO(リド)。
リドはパラソルとビーチベッドを借りることができ、軽い食事もできるバールが併設されている日本の海の家のようなところ。
重い荷物を持って歩く事もなく、お弁当の準備をすることもなく、ビーチタオル1枚だけで行けるのが忙しい時には嬉しいところ。
イタリアで初めてリドに行く人にはシステムが分からないと、ちょっと敷居が高い感じがしますが、システム自体は至って簡単。
リドは受け付けでパラソルとビーチベッドの代金を払うと、係の人がそこまで連れていってくれます。
あまり知られていませんが、海に近いビーチベッドを確保したい時は前もって予約もできます。
私は行く前日になるべく海に近いところを予約して、朝は家で少し朝寝坊して体を休め、11時過ぎに海へ。
ビーチベッドで本を読んだり、海に入ったり…。
真っ青な美しいシチリアのビーチで少しノンビリしてから、海の家のバールでお昼ごはん。
このお昼ごはんがリドの楽しみでもあります。
バールと言えどもメニューは充実、さすがここはイタリア!
パスタ、メイン、サラダ、パニーニなどなど、その充実ぶりには少し驚きます。
中には本格的なレストランスタイルで食事を楽しめるリドもあります。
お昼ごはんの後はまた海を満喫。
そして夕方はまたバールに行って、ちょっと涼しい風に吹かれながら乾いた喉を潤す。
シチリアの大自然はとても雄大で、眺めているだけでも心が洗われなんだか気分が落ち着きます。
夏の休日はこうして1日をリドでゆっくりと過ごし、翌日からの仕事に備えてパワーをチャージします。
美しい海を探して入り江ハンターに!
美しい砂浜もゆっくりするのにはいいですが、元気がある時には車でコンディションのよい入り江を探しに行きます。
波は風向きや地形によって毎日変わります。
トラーパニは風がどこかから吹いている事が多いため、波のない海を楽しむにはいくつかの入り江を回り比較的穏やかなところを探します。
多くの入り江は車を近くに置いて、ビーチベッド、パラソル、そして飲み物を持って岩場を歩いていく必要があるので体力が必要。
でもその美しさと言ったら…言葉では表せないほど!
そして何よりも嬉しいのは人が少ない事。
美しい砂浜は7月下旬にもなると、バカンスに来た人達でごった返します。
一方、岩場の入り江は地元の人達しかしらない秘密の入り江も多いため、砂浜が混雑している時でも静かな事が多く、朝、少し早目に家を出て、コンディションの良い入り江を探したら、なるべく平らな岩を探し、ビーチベッドとパラソルを設置。
その日の基地を作ります。
入り江にはリドがないばかりか、売店もないところがほとんどなので、行くときにはお昼ごはんも持参。
お昼ごはんと言っても凝ったものではなく、パニーニやフルーツなど、海で手軽に食べられるもの。
特にフルーツは乾いた喉を潤してくれ、ビタミンも補給できる優れもので、夏の海には欠かせません。
時にはかなり急な岩場を荷物を持って歩く事もありますが、その入り江の美しさは病みつきになるほど!
平日の夕方、1日の締めくくりは海で乾杯!
7月の日没は20時過ぎと1日が本当に長い。
夕方に仕事を終えてから海に行く人もたくさんいます。
ここ数年の私のお気に入りは平日の夜、簡単な夜ごはんとワインを持って夕陽を眺めながら海を楽しむ、という過ごし方。
真っ赤に燃えるように沈んでいく夕陽、そしてその後のトワイライトタイム。
真っ青な海ももちろん美しいのですが、平日の夕暮れの静かな海は私にとっては大切な時間。
ワインを飲みながら、他愛もない話をして笑い、1日が終わる。
都会で暮らしていた時には感じられなかった充実感と幸福感を感じられる一瞬でもあります。
海が近くにある生活
2005年、トラーパニに住み始めてからはいつもすぐ近くに海がある生活を送っています。
現在住んでいる家は海まで徒歩10分なので、ちょっと息抜きに散歩に行ったり、街に行く途中も車の中から海を眺めたり。
驚くほど鮮やかな真っ青な海に心躍ることもあれば、冬には波が高く厳しい表情の海に自然の 厳しさを感じさせられることもあるトラーパニの海。
そんな海に自分の人生を重ねてみる事も多く。
いい時もあれば、困難な時もある、でもまた真っ青な鮮やかな海になる日が絶対に来るはず!
と、シチリアの海は私に力を与えてくれるのです。
もはや海は私の生活の一部で、私に欠かせないもののひとつなのです。
皆さんも夏にシチリアにいらしたら一度は海水浴を楽しんでみてください。
真っ青な海に真っ青な空…きっと旅のステキな1ページになることでしょう。
レシピ
今月の料理は「魚介のレモンたっぷりサラダ」をご紹介します。 シチリアでは生魚を食べる習慣はありませんが、レモンでマリネした魚介類は食べる機会も多く。 シチリアレモンの爽やかな香りが、暑い夏でも食欲をそそる一皿です。
レシピはこちらラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。