第22回
私が恋した離島、マレッティモ島で大自然を楽しもう!
シチリア島はイタリアで一番大きな島。
私が住む西の端っこトラーパニからイタリア半島まで一番近いところまで3kmという東の端っこメッシーナまでは300kmもあり、車で3時間以上かかります。
ましてやシチリア島を車で1周しようと思うと、その距離は900kmにもなり1日がかりでの移動となります。
シチリアは暮らしていると「島」ということを忘れてしまうくらい大きな島なのです。
そこで「島気分」を味わいたい時に私が行くのがシチリアから行く離島。
その中でも私が一番好きな島がシチリアの秘境と呼ばれるマレッティモ島。
マレッティモ島はトラーパニ港から船で1時間半離れただけなのに、そこに広がるのはまるで別世界!
今回はこの私の大好きな秘境の島、マレッティモ島をご紹介します。
私が恋したシチリアの秘境、マレッティモ島
私がマレッティモ島に初めて来たのはトラーパニに住み始めた翌年、2006年。
友人に誘われ夏のプチバカンスをマレッティモ島で過ごす事となった時の事です。
トラーパニ港を出発しファビニャーナ島、レヴァンツォ島を経由して約1時間半。
船の中から見えたマレッティモ島には白と青の小さな街…なんて美しいのだろう!
その街の美しさにすっかり一目惚れしてしまいました。
ブーゲンビリアが咲き乱れる白と青の街はまるで映画の世界。
街角では島民が夕涼みしながらおしゃべりを楽しんでいます。
8月のシチリアはギラギラとした太陽が照り付けますが、木陰に入れば爽やかな風が吹き抜け、それはそれは気持ちの良い事。
街を散策すれば島民が「ブォンジョルノ!」と気軽に話しかけてくれるのも嬉しい。
小さな街では滞在中、何度も同じ人と会うため、気が付けば皆が顔見知り。
1日目からすっかり島に住んでいるような気分を味わう事ができるのです。
マレッティモ島での1日は、昼間は船で小さな美しい入り江と洞窟を巡り、午後はお宿でノンビリお昼寝。
そして夕方は街を散策して、夜はレストランで海の幸を堪能する。
こうしてゆっくりと過ぎていく1日…なんという贅沢でしょう!
毎年バカンスを過ごす北イタリアの人も多いというマレッティモ島。
この島に来れば街の喧騒や日頃の忙しさをすぐに忘れる事ができる…何とも不思議な島なのです。
青、青、青… 青がたくさんのマレッティモ島の海。
マレッティモ島では徒歩で気軽に行ける海岸が限られているため、滞在中、数回は船で海に出ます。
船は朝10時くらいに港を出発すると、いくつかの洞窟を周り、そして海のコンディションによりその日に穏やかな入り江をいくつか周り停泊。
そして船から飛び込んで海水浴を楽しみます。
マレッティモの島を周遊していると気が付くのが、青と言っても色々な青があること。
深い青、淡い水色、スカイブルー、エメラルド色…もう言葉では表せないほどの青がこの世には存在している事をマレッティモの海で知りました。
そして美しい海から島を見上げればそこにはマレッティモ島の力強い岩肌。
雄大な大自然にただただ驚くばかりです。
マレッティモで海の幸を堪能する!
マレッティモ島近海の魚はトラーパニでも美味しいことで有名。
なぜなら島近海には非常に潮の流れが強いところがあり、その近くでとれる魚達は身が引き締まりプリプリ。
朝、漁港に行けば漁師さんの船から直接釣りたての魚を買う事ができます。
漁港にはたくさんの人が集まり魚を真剣な眼差しで選んでいます。
魚を買って料理をするのも楽しいですが、海沿いのレストランでの食も魅力的。
私のお気に入りは漁師さん直営の家庭料理レストラン。
とれたての新鮮な魚介類をシンプルに味わう事ができるこのお店はいつも大盛況!
新鮮な魚をシンプルにグリルして、レモンをギュッ!とひとしぼり。
マレッティモ島の海の幸にトラーパニ近郊で作られたミネラル感たっぷりの白ワインを合わせれば、もう極上の幸せ感に包まれます。
島でトレッキングを楽しもう!
マレッティモ島の意外な楽しみ方、それがトレッキング。
離島と言えば海遊びばかりを想像しますが、島全体が自然保護区のマレッティモ島にはいくつかのトレッキングコースがあります。
山を登るコースの先にあるのはローマ時代の古い教会やスペイン統治時代に今の形となったお城などの歴史的建造物。
また他のコースのたどりつく先は小さな美しい入り江。
島全体が自然保護区のマレッティモ島にはたくさんの種類の木や植物が宿っていて、森林浴をしながらのトレッキングは気分爽快!
歩きたくない…という方にはロバで周るツアーもあります。
海からも、山からも、色々な角度から大自然を堪能することができるマレッティモ島。
他の島より少しアクセスが悪いせいか、8月でも大混雑することがないこの島は、少し滞在するだけでも現実世界から少し離れてリラックスすることができます。
8月は私にとっては仕事が忙しい時期ですが、今年もちょっとだけマレッティモ島でリラックスする予定。
いまからその日が待ち遠しいです!
レシピ
今月の料理は「シチリア風レモンのゼリー」をご紹介します。かつてまだ冷蔵庫が存在しなかった頃から、シチリアでは麦のでんぷんの粉を使って常温で固まるゼリーを作っていました。とっても簡単にできて、ちょっとねっとりとした食感が面白いこのゼリー。お好みのフルーツを飾れば立派なデザートにもなります。今回は日本でも手軽に手に入るコーンスターチで代用したレシピをご紹介します。
レシピはこちらラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。