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2021年09月10日 その他

成長期におけるカルシウムを含むレモン果汁飲料(※1)の
継続摂取が骨密度に及ぼす影響を確認

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(代表取締役社長:征矢真一、本社:愛知県名古屋市)は、広島県大崎上島町の協力のもと、広島県公立大学法人県立広島大学と共に、成長期におけるカルシウムを含むレモン果汁飲料(※1)の継続摂取が骨密度に及ぼす影響を確認し、その結果を第68回日本食品科学工学会で発表しました。

研究背景と目的

近年、急速に進む高齢化社会の影響もあり、骨粗鬆症の患者は増加傾向にあります。骨粗鬆症は、高齢になってから発症することが多く、予防には成長期に十分に骨量を高めること、特に女性においては閉経後の急速な骨量の減少を抑えることが重要と言われています(※2)。しかしながら、骨の健康に重要な役割を果たすカルシウム摂取状況は、小学校を卒業される12歳頃から成人以降も摂取基準を下回る傾向にあり(※3)、将来的に骨の健康が危ぶまれる事態となっています。

当社は、1957年にレモン事業を開始して以来、レモン商品の開発に加え、レモンの健康機能について様々な研究を行っています。その中でもレモンに含まれるクエン酸には、カルシウムを体内へ吸収しやすい形に変える働き「キレート作用」があり、継続的にカルシウムとレモンを一緒に摂る事で、骨の健康増進に役立つ事(※4)を確認しています。そのような中、骨量を高めるのに重要な成長期の研究について検証する必要があるとの認識から、新たに成長期男女を対象に、カルシウムを含むレモン果汁飲料を継続摂取することによる骨密度に及ぼす影響について検討しました。

研究方法と結果

広島県大崎上島町在住小学4年から中学1年生の参加者(2017年当時年齢・38名)を対象に、レモン果汁飲料(※1)を毎日1本摂取してもらい、摂取開始前、開始1年後、2年後、3年6ヶ月後に検査を行い、前腕骨密度の変化を確認(2020年まで全4回の検査に参加した16名を対象として解析)しました。

その結果、摂取開始前と比較して、男女共に骨密度が年々増加した事が確認できました(図1)。更に摂取前に標準値よりも低い傾向にあった骨密度が、摂取開始後に標準値よりも高い傾向を示し、摂取2年以降は、有意に高い値を示しました(図2)。一方で、身長や体重などその他の指標については、レモン果汁飲料(※1)の継続摂取と相関のある変動は認められませんでした。

  • 1… 本研究にて使用した「レモン果汁飲料」は、カルシウム強化したレモン果汁飲料(1本290ml当りレモン1個分の果汁30ml、カルシウム350mgを含む)となります
  • 2… 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より引用
  • 3… 出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)、令和元年 国民健康栄養調査結果
  • 4… レモン果汁飲料の長期摂取による骨の健康に関する影響を確認
図1 骨密度の変化(男女別平均値・実測値)

図1 骨密度の変化(男女別平均値・実測値)

図2 骨密度の変化(同性同年齢標準値との比較値)

図2 骨密度の変化(同性同年齢標準値との比較値)

まとめ

今回の研究で、成長期においても、カルシウムを含むレモン果汁飲料(※1)の継続摂取が骨密度の増加に有用である可能性が示唆され、骨の健康増進に期待できることが分かりました。これからも当社はレモンに関する研究を様々な視点より検証し、その価値をお伝えしていきます。

学会発表の概要

演題:成長期におけるカルシウムを含むレモン果汁飲料の継続摂取が骨密度に及ぼす影響

発表者:網谷 雄志 / 共同研究先 県立広島大学、大崎上島町

発表日:第68回日本食品科学工学会(2021年8月26日~28日)

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