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シチリアからの風~マンマに教わったとっておきレシピ~

シチリア島トラーパニ在住でシチリア料理・菓子 スペシャリストの佐藤礼子さんから、シチリアの暮らしと食、とっておきのレシピをお届けします。

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山の上の中世の街エリチェでクリスマス気分を満喫しよう!

12月と言えばクリスマス。
北イタリアではこの時期は気温も下がりすっかり冬がやってきて、そんな寒い冬を楽しむために生まれたのがクリスマスマーケット。
ドイツ発祥と言われるクリスマスマーケットですが、ヨーロッパの寒い地方ではもはや必要不可欠な冬のイベントとなっています。
私が住む街トラーパニの12月はまだそれほど寒くもないため、クリスマスマーケットは開催さませんが、近年、トラーパニの近郊の山の上の街エリチェでは小さなクリスマスマーケットが開催されています。
今回はシチリアの冬の風景をお届けします。

エリチェはヴィーナス信仰が生まれたフォトジェニックな街

エリチェ山の山頂にあるエリチェの街。
城壁に囲まれた石畳の街エリチェの歴史は古く、紀元前5世紀からここに集落があったと言われています。
ローマ帝国におさめられていた時代、豊穣の女神ヴィーナスの聖地とされていたエリチェ。
ヴィーナスは航海をする者を守る女神とも言われていたことから、地中海全ての民族から崇められ、信仰の聖地を訪れる熱心な信者でエリチェの街は賑わいました。
12~13世紀にかけてノルマン人が建設したノルマン城のある場所は、かつては「ヴィーナスの城」と呼ばれ、内部にはヴィーナスを崇める神殿があった、と言われています。
ヴィーナス信仰が生まれた街と言われるエリチェには、現在もたくさんの観光客が訪れます。
エリチェの玄関口、トラーパニ門をくぐると美しく並べられた石畳、そして古い壁の街並みが延々と続きます。
メインストリートから小径に入れば、クネクネとした道が続きまるで迷路のよう。
どこを写真で撮っても絵になるとってもフォトジェニックな街は、夏になると多くの観光客が訪れる人気スポット。
この街でヴィーナス信仰が生まれた…と思うだけでもロマンチックな気分になれるのでは?

  • エリチェの街の入り口トラーパニ門。
	エリチェの街の入り口トラーパニ門。
  • 陶器の街エリチェ。軍警のサインも陶器で作られています。陶器の街エリチェ。軍警のサインも陶器で作られています。
  • ドォーモの内部。外観からは想像できないほど美しい細かい漆喰細工。ドォーモの内部。外観からは想像できないほど美しい細かい漆喰細工。
  • 古く美しい街並みが続きます。古く美しい街並みが続きます。
  • 天空に浮かぶノルマン城。天空に浮かぶノルマン城。

エリチェのクリスマスマーケット

標高750メートルのエリチェの街は、12月に入るとグンと気温が下がります。
シチリアの中ではちょっと冬の気分を味わえるため、近年クリスマスマーケットが開催されるようになりました。
とはいっても、北ヨーロッパの大きなクリスマスマーケットとは違い、エリチェ市役所がある街の中心となるウンベルト1世広場で開かれる小さなマーケット。
山小屋風の屋台では、カンノーロやカッサータシチリアーナなどシチリアのお菓子、トラーパニ風パニーニ等、工芸品というよりも食べ物が中心なのも美食の島シチリアっぽく。
クリスマスマーケットに欠かせないホットワインはバールにて。
オレンジ、レモンの柑橘系、そしてシナモンなどのスパイスがたっぷり入ったホットワインは、寒い体を温めてくれます。
これまたスパイスがたっぷりと入ったエリチェのお菓子、ムスタッツォーリを浸しながら食べるのがエリチェ流のホットワインの飲み方。
体が温まったら、またエリチェの美しい街並みを楽しみに散策にでかけましょう。

  • シチリア伝統菓子も並びます。シチリア伝統菓子も並びます。
  • 手作りのオーナメントも販売されていました。手作りのオーナメントも販売されていました。
  • 中央広場で開催されるクリスマスマーケット。中央広場で開催されるクリスマスマーケット。

エリチェはプレゼピオ

エリチェのクリスマス時期のもう一つのお楽しみはプレゼピオ。
プレゼピオはキリストの生誕シーンを表現したジオラマで、キリスト教国家イタリアには欠かせないクリスマスの飾りです。
エリチェの街はクリスマス期間になると(イタリアのクリスマスは12月8日から始まります)、教会はもちろんの事、お店、一般のお宅で作ったプレゼピオがあちらこちらで見る事ができます。
昨年は「世界のプレゼピオ」という展示会も行われて、国によってプレゼピオの衣装も違いとても楽しい展示会でした。

  • 教会全体を使って展示されるプレゼピオ。教会全体を使って展示されるプレゼピオ。
  • トラーパニのプレゼピオ。トラーパニのプレゼピオ。

エリチェの街は展望台!

海のすぐ近くにそりたつエリチェの頂からは絶景が広がります。
海側を見れば大海原にそびえ立つ岩山、そして陸側に移動すれば延々と続く田園地帯が眺められ、更に移動するとトラーパニの街や塩田が広がる大パノラマが臨めます。
まさに街全体が展望台!
エリチェから眺める景色の大きさは写真では伝える事は難しく、この大きさを感じるには実際に自分の目で見るしかありません。
この大きな大自然を眺めながら、何千年とここで続いてきた人々の営みを想像してみると、自分の生きている今の時代が本当に短い期間で、私一人の存在は本当にちっぽけなものであることを実感します。
こうして壮大な景色を眺めていると、何故か、よし!明日からも頑張ろう!という元気が湧いてくるのです。
シチリアは私にとっては元気を与えてくれる島。
暑い夏はもちろん、クリスマス時期の寒い季節も、四季を通して色々な楽しみと活力を与えてくれる魅惑の島なのです。

  • ノルマン城の海側からはこんな絶景が!ノルマン城の海側からはこんな絶景が!
  • ドォーモの横の塔の上からエリチェの街の向こうに見える大自然を臨む。
		ドォーモの横の塔の上からエリチェの街の向こうに見える大自然を臨む。
  • シチリアの広大な大地を見渡す。シチリアの広大な大地を見渡す。

レシピ

鶏肉とレモンの煮込み ローズマリーの香り

鶏肉とレモンの煮込み ローズマリーの香り

今月はクリスマスのメイン料理にもピッタリな鶏肉料理をご紹介します。 鶏肉とレモンはとっても相性がよく、煮込んでいるだけで美味しくなります。 今回はローズマリーを枝ごと入れて一緒に煮込んでいるので、調理している最中も良い香りが部屋中に漂います。 そのまま召し上がっても美味しいのですが、今月はクリスマスなのでクリスマスカラーのソースを添えました。

レシピはこちら

佐藤礼子 佐藤礼子 (Reiko Sato)
ラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。

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