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シチリアからの風~マンマに教わったとっておきレシピ~

シチリア島トラーパニ在住でシチリア料理・菓子 スペシャリストの佐藤礼子さんから、シチリアの暮らしと食、とっておきのレシピをお届けします。

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花火とスプマンテで乾杯!シチリアのニューイヤー

2017年、あけましておめでとうございます!
今年もシチリアからの風を日本にお届けしたいと思います。
皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。


シチリアではクリスマスは家族とお祝いしますが、ニューイヤーはお友達や恋人、自分が過ごしたい人と過ごすのが定番。
(過ごしたい人が家族・・・という場合はクリスマスに続いてニューイヤーも家族で過ごします。)
お正月が家族と過ごす祝日で、クリスマスが友人や恋人と過ごす日本とは反対の習慣です。

トラーパニの街では、年が明けると盛大に花火が上がるので、街は人で溢れかえります。
この時期になると、街の中には花火を売る屋台も登場。
家でニューイヤーを過ごす人は、屋台で花火を準備。
年が明けた瞬間、「Salute!!(サル―テ!!)=乾杯!」と街のあちらこちらで乾杯する声が聞こえてきます。

私は友人宅で過ごしたり、パートナーの実家で過ごしたり、街で過ごしたり・・・ 毎年いろいろですが、どこにいても欠かせないのが乾杯のスプマンテ(イタリアの発泡酒)とクリスマスのお菓子パネットーネやパンドーロ。
いずれもシチリアの伝統のものではありませんが、もはやイタリア全土で定番と言ってもいいでしょう。

  • ニューイヤーのパーティの様子
  • スプマンテとパンドーロスプマンテとパンドーロ

お正月にはレンズ豆を食す

さて、お正月料理の定番と言えば「レンズ豆」。
レンズ豆がコインに似ている事から、金運を呼ぶといわれています。
北イタリアではレンズ豆とコテッキーノやザンポーネと呼ばれる豚肉の脂がたっぷりの大ぶりなサラミを一緒に煮こみますが、シチリアの冬はそこまで脂っぽいものを食べるほど寒くもなく。
なので、ちょっと太めの生ソーセージと香味野菜でレンズ豆を煮込みます。
クッタクタに煮崩れるほど煮詰めたレンズ豆が、生ソーセージと野菜の旨みをギュ―ッと吸って、それはそれはおいしく・・・。
「ほら、たくさん食べなさい。ことしは金運アップよ!」と、毎年誰かが言っているのもお正月を思い出させる風景のひとつです。

  • ニューイヤーの食卓
  • レンズ豆と生サルシッチャの煮込みレンズ豆と生サルシッチャの煮込み

クリスマス期間はいつまで?

前回のコラムで「カトリック教国のクリスマスシーズンは12月8日から」というお話をしましたが、ではいつまでがクリスマスシーズンなのでしょうか?
答えは1月6日、エピファニアの日。
日本語では「公現祭(こうげんさい)」と呼ばれるエピファニア。キリストの誕生を祝いに東方から三博士がやって来た、と言われる日です。
この日、イタリアはクリスマスシーズン最後の祝日となり、クリスマスツリーも1月6日に片づけます。
いよいよこの日で約1か月に渡って続いたクリスマスシーズンも終了。
仕事も学校も通常モードに戻ります。

1月6日には魔女がやってくる!

1月6日は「魔女が子供達にお菓子を運んでくる日」とも言われています。
この魔女は「ベファーナ」と呼ばれ、とってもチャーミングなほうきに乗って空を飛ぶ魔女。
かつて、シチリアではプレゼントを運んでくるのはサンタクロースではなく、ベファーナでした。
その習慣は今でも残り、子供達は前夜に大きな靴下を枕元に置いたり、部屋のドアやクリスマスツリーにかけたりして、6日の朝を楽しみに起きます。
良い子にしていたらチョコレートやキャンディを、悪い子には炭を運んでくるといわれているベファーナ。
「良い子にしていないと、ベファーナが炭を運んでくるわよ!」
この時期、街ではこんな言葉を良く聞きます。

街の中にはチョコレートやキャンディと一緒に、炭の形をした砂糖菓子も並びます。
小さな子供達はこの黒い砂糖菓子が自分の元にやってこないように、この時期必死にいい子なふりをしているのがとても微笑ましく。

  • ベファーナの靴下とキャンディベファーナの靴下とキャンディ
  • ベファーナ 炭のお菓子ベファーナ 炭のお菓子
  • 街のショーケースに飾られたベファーナ街のショーケースに飾られたベファーナ

さて、1月になるとシチリアはレモンの旬を迎えます!
レモンの木には黄色く熟したレモンの実がたわわに実っています。
シチリアの家庭では今の時期、料理に、お菓子にたっぷりとレモンを使います。
今日は、庭にレモンの実が生るお宅のマンマから教わったレモンをたっぷりと使ったケーキをご紹介します!

レシピ

レモンたっぷりのケーキ

レモンたっぷりのケーキ

生地にもアイシングにもレモン果汁がたっぷり!
オリーブオイルを使っているので口当たりも軽く、甘酸っぱい爽やかなシチリアの風味が広がる、朝食にも、おやつにもぴったりのケーキです。レシピはこちら

佐藤礼子佐藤礼子 (Reiko Sato)
ラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。

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