第1回
秋のシチリア・トラーパニの市場
Piacere!(ピアチェーレ!=初めまして!)
イタリアの南の島、シチリア島在住の佐藤礼子です。
これから月に1回、シチリアからの現地情報とレモンレシピをご紹介させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします!
私がシチリアに住むことを決めた理由
私は2004年にイタリアに料理&お菓子の修行のためにやってきました。
そして2005年にシチリアでの料理&お菓子修行がスタート!
シチリアに住み、お店で働きながら料理やお菓子を学んでいたのですが、それと同時に興味を持ったのが「現地の人が家庭で食べている料理」。
どんな生活をして、どんなものを食べて、どういう事に関心を持って暮らしているのか・・・。
現地の人とお友達になり、おうちに料理を習いに行き、家族の方々と時間を過ごしているうちに感じたのが、シチリアの食の豊かさと食文化の奥深さ。
そして、「この土地にもっと暮らして、豊かな食生活を体感してみたい!」と思ったのが、シチリアに住むきっかけでした。
私の住む街トラーパニ
私の住む街Trapani(トラーパニ)は、シチリア島の最西端の街。
地中海に半島のように突き出ていて北、南、西と3方向を海に囲まれています。
そのため、街全体で海風を感じる事ができます。
年間を通して比較的温暖で、夏には真っ青な空と真っ青な海が広がります。
いつものお買い物は市場で
トラーパニは新鮮な魚がとれることで有名な街。
西の先端近くには毎朝開催されている魚市場があり、その日の朝にとれた新鮮な魚がズラリと並びます。
一般の人でも買う事ができるので、私も魚を食べたい時には魚市場まで出向きます。
トラーパニでは魚を買いに来るのはもっぱら男の役目。
市場の魚を物色しながらウロウロ歩いていると、顔見知りのおじちゃんが、
「今日は何を作るんだい?」
「あっちにおいしそうな魚があったよ!」
と声をかけてきます。
地元の方達はとっても気さくで、魚や料理について色々と教えてくれるのですが、その知識の豊富さにはビックリ!
おいしい魚の食べ方を地元のおじちゃんにたくさん教わりました。
そしてその近くには青空市場。
ここには旬の野菜や果物が並びます。
秋の旬は何といってもフィーキ ディ インディア!
“インドのイチジク”という名のこれ・・・なんと“サボテンの実“なのです!
皮を剥いてフルーツとして食べるのですが、スイカのような、柿のような、ビワのような・・・ なんとも言えない味わいです。
シチリアの市場には現地で収穫されたレモンが1年中並びますが旬は冬。
シチリア料理には欠かせないレモン。
今の季節はまだちょっと苦みが残る緑のレモンが並んでいます。
形は不揃い、見た目もゴツゴツですが、とっても香り高い!
皮をちょっとこすってみると、レモンの爽やかな香りがフワっと広がります。
シチリア人の家の庭には柑橘類
9世紀ごろ、アラブ人によってシチリアにもたらされたという柑橘類。
私が仲良くなった友達のお宅の庭には、必ずと言っていいほどレモン、オレンジなどの柑橘類の木が植えられています。
冬になるとたわわに実り、レモンを捥いで料理に使い、食後は庭に出てオレンジを収穫してデザートに。
捥ぎたてのレモンやオレンジはそれはそれは香り豊かで・・・。
最初にこの光景を見た時にはとっても贅沢な生活に感じました。
そしてシチリア人達のレモン使いが上手な事!
料理に、お菓子に、ドリンクに・・・。レモンの皮もレモン汁も、次々とおいしく調理していきます。 シチリア人の食卓にレモンは欠かせない、といっても過言ではないほど、レモンをよく使います。
今日はそんなマンマから教わった、新鮮ないわしを使ったレモンレシピをご紹介します!
いわしのベッカフィーコの名前の由来はいろいろあるのですが、私が好きなのはこんな言い伝えです。かつて、甘いものがまだ高価なものだった時代、シチリアで夏にたくさんとれるイチジク(fico=フィーコ)はとてもおいしいものとして扱われていました。そしておいしいイチジクを鳥がくちばし(becco=ベッコ)でつついている姿に、ピンと立てたいわしの尾が似ていることから、ベッカフィーコという料理名が付きました。
レシピ
シチリアのトラットリアのメニューに必ず、と言っていいほど登場する、シチリアを代表する伝統料理。
レモンの風味でいわしもさっぱりと。
お好みで、召し上がる前に「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」をひと振り!
より爽やかに召し上がっていただけます。レシピはこちら
ラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。