「交流高電界殺菌技術」が評価
革新的殺菌技術を利用した果汁製造ラインの実用化
「農林水産技術会議会長賞 民間企業部門」受賞
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、農林水産省及び公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が実施する、令和元年度(第20回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「ポッカレモン100」の製造に導入している「交流高電界殺菌技術」(※1)について、革新的殺菌技術を利用した果汁製造ラインを実用化したとして「農林水産技術会議会長賞 民間企業部門」を受賞しました。
開発背景
従来の加熱のみによる殺菌方法では、熱に弱い食品素材の色、香りの劣化、栄養・機能成分の減少を抑えることが難しいとの課題がありました。そこで、食品の安全性を維持しながら、よりよい品質の商品を提供できるように、従来方法より熱劣化の少ない新しい殺菌技術の開発に至りました。
「交流高電界殺菌技術」(※1)について
「交流高電界殺菌技術」(※1)とは、食品中を電流が流れると、食品自体が発熱することに加えて電気的な殺菌作用が生じる相乗効果を利用し、食品中に存在する微生物を迅速かつ効率的に殺菌できる技術です。果汁などの液体が平行に設置した金属製の電極板を流れると、瞬時に温度が上がり殺菌されます。従来の加熱殺菌よりも熱にさらされる時間が短いため、熱による変色、加熱臭の発生などが抑えられ、より良い品質の商品をお届けできるようになりました。
- 1… 「交流高電界殺菌技術」はポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社、農研機構食品研究部門、株式会社フロンティアエンジニアリングによって開発・実用化した業界初の殺菌技術です。
【図】交流高電界殺菌技術のメカニズム
【グラフ】製品に及ぼす色調・加熱臭の影響
普及状況
2014年2月より、当社「ポッカレモン100」(120ml、300ml、450mlの瓶タイプの3商品)の製造ラインに導入し、5年以上に亘り運用しています。また、果汁以外では、2016年3月より協同乳業㈱が製造する「農協牛乳」に本殺菌技術が活用されています。
受賞概要 (出典:令和元年度(第20回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰 受賞者の業績概要)
- 業績名
- 革新的殺菌技術を利用した果汁製造ラインの実用化
- 受賞者
- 井上孝司 (ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)、大澤直樹 (同)、西川秀嗣 (同)、平光正典 (同) 、高柳純司 (同) ※「交流高電界殺菌技術」を開発した当時の所属になります
- 評価ポイント
- 本業績は、従来の加熱のみの殺菌に比べて数十倍効率的に殺菌できるばかりでなく、殺菌時の熱劣化を抑制し、フレッシュで搾りたての風味を損なわない革新的かつ独創的な交流高電界殺菌技術を(国)農研機構と共同で開発・実用化したものであり、牛乳など果汁以外にも利用が進んでいる。
【写真】2019年11月20日に行われた民間部門農林水産研究開発功績者表彰式の様子
(右より、小林芳雄農林水産技術会議会長、井上孝司、大澤直樹、平光正典、高柳純司)
▼【農林水産省HP】令和元年度(第20回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/attach/pdf/191021_28-1.pdf